0歳児の発表会と聞くと、「まだ何もできないのに…」「泣いたらどうしよう」と感じる先生や保護者も多いかもしれません。
でも大丈夫。0歳児の発表会は、“上手に演じること”よりも“その場にいること”がいちばんの目的です。
小さな手を動かしたり、笑ったり、泣いたり――その一瞬一瞬こそが、子どもの成長の証。
この記事では、0歳児でも参加できる発表会のアイデアを、絵本・体操・手遊び・楽器あそびのジャンル別にご紹介します。
☆とにかくこの時期は参加すること、その場にいられるだけでも十分なのです!が、保育士さんはアイディアを考えて取り入れたいと思うので、私が働いていた保育園で実際に行っていた演目を紹介しますね!
0歳児の発表会は“参加すること”が目的

泣いても動かなくても大丈夫!0歳児発表会のねらい
0歳児の発表会は「発表」よりも「参加」を大切にする行事です。
ステージに立つこと、保育士の声を聞くこと、保護者の笑顔を感じること――すべてが貴重な経験になります。
動けなくても泣いてしまっても大丈夫。
“みんなで過ごす温かい時間”を感じられることが、一番の成長です。
保育士が意識したい「安心・一体感・笑顔づくり」
0歳児は、周囲の雰囲気に敏感です。
音やライト、拍手の音など、いつもと違う環境に驚くこともあります。
そんなときこそ、保育士の笑顔が子どもにとって安心のサインになります。
子どもが落ち着けるように、抱っこやおんぶでの参加もおすすめ。
「みんなと一緒にいる」だけで、十分に発表会を楽しめます。
☆子ども達が落ち着いて参加できるようにする為には、大人も落ち着くことが大切!人数配置や補助の先生などもきちんとつけられるように出来るのがポイントです。
家庭と共有したい“成長の一場面”としての発表会
保護者にとっても、ステージ上のわが子を見る時間は感動のひととき。
「泣かずに立てた」「手を動かせた」――その小さな姿に、日々の成長を感じられます。
発表会は、子どもの“いま”を感じる大切な記録になります。
絵本から広がる発表会アイデア

0歳児にとって、絵本は身近で安心できる存在。
普段から読んでいる絵本をテーマにすると、子どもたちも自然と笑顔になれます。
『だるまさんが』(かがくいひろし)をモチーフにした“まねっこあそび”
「だ・る・ま・さ・ん・が!」のリズムに合わせて体をゆらゆら。
赤いだるまの衣装や帽子をつけて、先生が声をかけながら一緒に動くと、それだけで可愛らしい演目になります。
ステージ上で笑っても泣いても、その姿こそが最高の見どころです。
☆子ども達のこのリズムに合わせて揺らしているだけで十分可愛いんです!保護者からも「可愛い!」という声が聞こえてくるほどだったので、『だるまさん』シリーズは取り入れるのにおすすめです!
『いないいないばあ』(松谷みよ子)をテーマにした“笑顔のかくれんぼ劇”
0歳児の定番絵本をもとに、保育士が布を持って「いない いない…ばあ!」。
子どもが顔を出したり、保育士に抱っこされたりするだけでも会場は笑顔でいっぱいに。
照明や音楽をシンプルにして、温かい雰囲気を演出するのがおすすめです。
☆笑顔にやる子、ばぁ!と楽しそうな子、場所見知りや大勢の大人に緊張して固まってしまう子、不安になって泣いてしまう子などそれぞれですが、子どもの姿が見えるだけで保護者も安心するし、保護者を見て安心という子ども達もいます。0歳児クラスだからこそ出来るのもあるので、取り入れてほしいですね。
『おべんとうバス』(真珠まりこ)を題材にした“ごっこあそび発表会”
「トマトさん」「ハンバーグさん」「ブロッコリーさん」などのキャラクターに変身!
保育士が「つぎは○○さん、のってくださ〜い♪」と呼ぶと、子どもが前へ出ていく構成です。
名前を呼ばれて手をあげたり、ちょこんと立っているだけでもかわいい。
最後に「しゅっぱ〜つ!」の声で音楽が流れれば、みんな笑顔で終われます。
☆月齢的に歩ける子が多ければ取り入れてほしい演目の一つ。それぞれの食べ物になって出てくるだけで100点満点です!(笑)
絵本に合わせた簡単なナレーション演出で、0歳児でも“主役”になれる
保育士の語りに合わせて動くだけで、0歳児が物語の主人公に。
無理にセリフを覚える必要はなく、「見て・聞いて・感じる」ことで十分に成長が見られます。
みんなで楽しめる体操・ふれあいダンス

『わーお!』(NHKいないいないばあっ!)で盛り上がるふれあい体操
テンポがよく、誰もが知っている人気曲。
「バイバイ」「ジャンプ」「手をトントン」など、簡単な動きを中心に構成すると◎。
保育士の動きをまねしたり、音に合わせて体を揺らしたり、子どもが自然にリズムを感じられる演目です。
☆長年にわたって人気曲!子どもの成長発達を感じられるおすすめです!
『からだ☆だんだん!』(たいそうソング)で体を伸ばしてリズムにのる
「ぐーんと のびて~」の歌詞に合わせて、保育士が子どもの手を持って動かす構成が人気。
抱っこやおんぶでも参加できるため、発表会の雰囲気が一気にやわらぎます。
動けない子も自然とリズムにのれる、0歳児にぴったりの体操です。
☆この曲は運動会でも取り入れている保育園もあるのではないでしょうか?運動会では親子競技だけという保育園はぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?
『ぴかぴかぶ〜!』(NHKいないいないばあっ!)で楽しく手あそびダンス
“ぴかぴかぶ〜!”のかけ声で笑顔になる、乳児さんの定番ソング。
ゆったりしたテンポなので、0歳児でもまねっこしやすく、保育士が向かい合って一緒に手を動かすだけで可愛らしいステージに。
発表会のオープニングやエンディングにもおすすめです。
動けなくてもOK!抱っこやおんぶで親子ふれあい体操としても演出可能
発表会当日は、子どもが緊張して泣いてしまうことも。
そんなときは無理をせず、抱っこやおんぶで一緒に体を動かす形に変更しましょう。
保護者からも「ほっとする雰囲気で見られた」と好評です。
☆その時は泣いて参加でも数年後には堂々と参加する姿に成長していきます。きっと保護者は今の姿しか見えてない事もあって不安に感じるかもしれないので、一緒に参加する保育士さんはあたたかく関わりながら参加してくださいね。
手遊びや楽器あそびで“参加感”をアップ

定番の手遊び『グーチョキパーでなにつくろう』『バスにのって』など
0歳児はまだ手を上手に動かせないことも多いですが、保育士の手の動きを見て楽しむだけでOK。
お気に入りの手遊びが流れると、自然に笑顔になり、安心感を持てます。
短い時間で終わるので発表会にも取り入れやすいです。
音を楽しむ!手作り楽器で発表会を演出
ペットボトルにビーズやお米を入れた“マラカス”や、紙皿を使った“タンバリン”など、簡単に作れる手作り楽器を使ってみましょう。
子どもが音を鳴らすだけで、会場が和やかな雰囲気に包まれます。
「鳴らす→止まる」など簡単なリズム遊びを取り入れるのもおすすめです。
保育士がリードして自然に音を出すだけで会場が笑顔に
タイミングが合わなくても、音がばらばらでも問題なし。
小さな手で一生懸命鳴らす音こそ、0歳児の“生きた表現”です。
保育士が優しくリードして、全員で音を楽しみましょう。
衣装・背景・小道具の工夫でかわいく演出

動きやすさ重視!帽子・カチューシャ・名札などの小物で統一感を
全身衣装よりも、シンプルで着脱しやすい小物がおすすめ。
だるまの帽子、トマトのカチューシャなど、ワンポイントでも十分華やかです。
背景は「絵本の1ページ」風にまとめると世界観が伝わる
絵本の表紙のような背景を作ると、会場全体が温かい雰囲気に。
色画用紙やフェルト素材を使うと安全で優しい印象になります。
保護者に“成長の瞬間”を伝える記録・撮影の工夫
泣き顔も笑顔もすべてが記念。
発表会後に写真をまとめて掲示したり、絵本風の記録冊子にしてプレゼントするのも喜ばれます。
まとめ|泣いても動かなくてもOK!0歳児の発表会は成長の証
大切なのは「上手にできたか」ではなく「その子らしく参加できたか」
0歳児の発表会は、完成度よりも“過程”を大切に。
その場に立っているだけで、十分に立派な発表会です。
保育士・保護者・子どもが一緒に楽しむことで“笑顔の思い出”に
保育士のサポートと優しいまなざし、保護者の拍手。
そのすべてが、子どもにとっての“安心”になります。
泣いても、笑っても、動かなくても――その姿こそが、0歳児の最高の発表です。

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