はじめに

梅雨が明けて本格的な夏が始まる7月。1歳児にとっては、色や手触り、水や音といった「五感」で季節を感じる時期です。とはいえ1歳児はまだ製作経験が少なく、手先の発達や集中力にも個人差が大きいため、「無理なく、楽しく」取り組める製作活動がポイントとなります。この記事では、1歳児の発達に合った7月らしい製作アイデアを、保育士目線でご紹介します。
1歳児の発達に合わせた製作のポイント

「手で触れる」「ちぎる」「貼る」など感触を楽しむ
1歳児の製作は、「完成」よりも「過程」に意味があります。指先でちぎる、手のひらで貼る、絵の具をぐるぐる塗る…そんな感触体験こそが、脳や身体の発達を促します。
失敗のない「自由な表現」が楽しめる形に
“上手にできなくてもOK”が基本です。保育士が形を整えるのではなく、自由な発想で取り組めるよう配慮しましょう。活動に夢中になっている様子を大切にします。
夏を感じる「色」「形」「音」で季節感を味わう
七夕の飾り、ひまわり、かき氷、水遊びなど、色鮮やかな素材や涼やかな音のする素材を使って、五感を使って楽しめる製作を取り入れましょう。
おすすめ!1歳児が夢中になる7月の製作アイデア5選
① きらきら天の川:折り紙をちぎって貼る七夕飾り

材料: 色画用紙、折り紙、のり、スズランテープ
内容: 折り紙を手でちぎって、夜空に見立てた画用紙に貼るだけの簡単製作。キラキラ素材を貼ることで、視覚的にも楽しめます。保育室の窓辺に吊るせば雰囲気満点!
② ぺたぺた!氷のひんやりスタンプ遊び

材料: 絵の具、氷、キッチンペーパー、トレイ
内容: 小さな氷に色をつけて、キッチンペーパーの上でスタンプ遊び。ひんやり感と色のにじみを五感で体験できます。短時間でも集中して楽しめる活動です。
③ ひまわり手形アート:夏らしい成長の記録に

材料: 絵の具、画用紙、のり、クレヨン
内容: 手形を花びらに見立てて、中央に顔を描けば、世界に一つだけのひまわりの完成。親子の連絡帳や製作展示にもぴったりで、成長の記録にもなります。
④ お水ぴちゃぴちゃおえかき:水の感触を楽しむ活動

材料: 大きな模造紙、水、筆やスポンジ
内容: 室内の床に模造紙を敷いて、水を筆やスポンジで塗っていくだけ。服が濡れてもOKな環境で、ダイナミックに楽しむことができます。
⑤ アイスクリームのコラージュ:手でちぎってぺったん!

材料: 新聞紙や包装紙、のり、紙コップ、色画用紙
内容: 丸めた紙をアイスに見立てて、台紙に貼っていきます。紙を丸める・貼るという動作に集中し、完成後は見た目にもかわいらしく飾れます。
1歳児の製作をより豊かにする保育士の関わり方

気持ちに寄り添う声かけを意識する
「たのしいね」「気持ちいいね」と言葉を添えることで、子どもたちは製作の体験に自信と喜びを持てます。できばえではなく、プロセスに共感する姿勢が大切です。
“やってみよう”のきっかけをつくる工夫
見本を見せる・保育士が最初に遊んで見せるなど、子どもの興味を引き出す導入も重要です。遊びの延長線上で自然に製作に入れると、楽しさが倍増します。
「飾る」ことで製作の喜びを共有しよう
できあがった作品は、保育室に飾ったり、持ち帰ったりして、“見てもらえる嬉しさ”を共有しましょう。保護者へのフィードバックも大切な一環です。
まとめ|1歳児の7月製作は「体験」と「共有」がカギ
1歳児にとっての製作は、まだまだ“あそびのひとつ”。そのなかで、五感を使って季節を感じたり、手や指をたくさん使ったり、保育者や友だちと関わったりする経験が何より大切です。7月の製作では、無理なく、楽しく、「やってみたい」が引き出される環境づくりを意識しながら、一人ひとりの個性を大切にした関わりをしていきましょう。
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